つづき
3.2第1軍団がドルンブルク方面に移動中に応援要請がくる。
(1)スケジュール
7:00にプロシア軍と交戦して主力と判明したので、応援要請を伝令に持たせたという仮想のシナリオ。
アウエルシュタットから左方向に伸びる道路上にマップ端から以下のスケジュールで増援として登場する。
15:00 軽騎兵師団(LaSalle少将)
15:40 竜騎兵第4師団(Sahuc少将)
17:00 デュポン師団
(2)根拠
(A)前回引用した1806年10月14日 ドルンブルクには、ダブーの副官であるトロブリアンが伝令として
ベルナドットに会ったとの記載がある。しかし、PM3:30にハッセンハウゼンを離れたのでは、ベルナドットの
増援部隊が日没前(PM5:18)に到着するのは無理である。
ハッセンハウゼンからドルンブルク付近まではNaumburg経由で35km、地元の人間しか分からない森林を突っ切っても
21kmもある(下図の右側灰色ルート)。軍団規模の行軍速度3km/hrでは不可能である。
(B)上記が無理なので、他の副官を派遣したと仮定したシナリオが上記(1)である。その内容を以下に示す。
(a)AM7:00に交戦したとして、考える時間を入れて7:30に伝令がHassenhausenを出発。
(b)伝令は14.4km/hr(トロット)で移動するものとして、Naumburgに一旦戻りドルンブルク方面に行く。
→主要道を走ったほうが早いので。(山道や森林では速度が落ちる)
(c)HassenhausenからNaumburgまで13.6kmなので8:30頃にNaumburg着。
(d)この時第1軍団の位置は?
→AM3:00にNaumburgを出発しているので、5.5時間経過して3km/hrの行軍速度で16.5kmの位置にいる。
(e)伝令が追いつくまでの時間Xと位置は?
→14.4X =3X+16.5 からX=1.5Hr
Naumburgから3*1.5 + 16.5 = 21kmの位置。時刻は10:00。
(f)Naumburg経由で応援するのは時間的に無理(日没前には着かない)ので、下記のルートを選ぶと仮定する。
→Hassenhausenに向かうのではなく、プロシア軍側背のアウエルシュタットに向かう。
→google mapでは下図。
(f)Camburgからザーレ川を渡って西に行くには1.5km行って84m上がる上り勾配がある。
→ベルナドットが苦労したドルンブルク隘路ほどではないが、通常の行軍速度では通過できない。
航空写真では下図のように見える。
次回へつづく
<個人的な感想>
かなり主観的な内容であるが、単純に地図上の距離÷行軍速度で計算するよりはマシと考える。
ザーレ川を渡る進路は大きな主要道でなければ、ドルンブルク隘路と同様に考えた方が良いと思う。