スペインのゲリラ部隊単位と規模について、気になったので少し調べてみた。
1.部隊単位
1隊が騎兵50人、歩兵がそれ以上。
指揮官1人、副指揮官1人、騎兵参謀2人、歩兵参謀3人。
武器と服は指揮官が責任を持って配布する。
2.規模
時期により増減があり、正確な数字は不明との事。
1例は111隊、28000人との報告がある。
3.目標
(1)敵の小部隊や輸送部隊を襲う。
(2)敵の伝令を捕獲する。
(3)敵が村に入るのを妨害する。(金と食料の徴収防止)
(4)敵の行軍を混乱させる。(隠れた所から狙撃する)
(5)敵を警戒させたままにして、休ませない。(偽の攻撃や、夜襲など)
4.戦術
(1)山間部では、奇襲で最大の損害を与えて、すぐに消える。
(2)平野部では、軽騎兵で待ち伏せして、すぐに消える。
5.フランス軍の対策
(1)主要道路沿いに小要塞を作り、守備隊とパトロール隊を配備する。
(2)傭兵のゲリラ討伐隊(無法者や親フランスの人々)を編成したが、うまく行かなかった。
(3)輸送部隊や伝令に護衛を付ける。
1810年夏頃までは輸送部隊に250から500人を付ければ良かったが、
その後は1000人付けても襲われることがあった。
Wiki 1811の最後の段落では35万人の兵士のうち20万人がゲリラ対策に当たったとの記述もある。
6.参考文献
Spanish Guerrillas in the Peninsular War 1808–14
<個人的感想>
ナポレオンが”スペインの潰瘍”と表現したように、
即効性のある対策ができないまま体力を消費する戦いを
代表するのがゲリラ戦と思う。