ME版(例:Aspern-Esslingの戦い)では夜と薄明の視認距離は2HEXと3HEXになっている。
しかし、疑問が生じたので見直して自家製ルールを作ることにした。
1.疑問
(1)薄明(Civil Twilight)では十分な軍事行動が出来るとの事なので3HEXでは短い。
下図はBattlefield Weather effectsの3-6ページから抜粋。
(2)夜でも新月と満月では明るさが違うので視認距離(*1)も違うと思う。
*1 視程の厳密な定義は以下のようになっており、夜間ではライトを使った距離になっている。
ここで検討するのは月明かりで見える最大距離なので、視程ではなく視認距離という言葉にした。
a) 明るい背景の中で、観測に適した大きさの黒色の物体を見て、認識できる最大の距離。
b) 暗い背景の中で、1,000カンデラのライトを照らし、物体が識別できる最大の距離。
2.検討内容
2.1 薄明
WEBで探しても視認距離が見当たらないので、以前に軽騎兵偵察2.1)C)で検討した際に使った
視認距離2つの中間値6HEXを使うことにする。
昼の霧4HEXより長く、雨・雪6HEXと同等なので、それほど間違っていないと考える。
2.2 夜(晴れた場合の月明かり)
(1)Moonlight and Night Visibility p.20,21によれば、兵士3~4人(分隊)を平地で視認できる距離は
以下の表左3列のように月齢によって変わる。
なお、現代の分隊は横方向に約20mに広がるとの事。
(2)バタイユゲームでは大隊規模であり、ナポレオン時代の縦隊隊形なら横幅は46mなので、
分隊の幅より2.3倍広い。その為、視認距離も長くなり、余裕を見て2倍とした。(下表の右から2列目)
(3)月齢と照度(Illumination)はmoongiant.comを参考にし、戦いの当日の照度も左記のサイトから検索する。
(4)視認HEXは暗い中での各種制約を考えて50m減らし、100で割る。(端数切り捨て)
(5)照度の欄を見て当日の照度を超えない最大の照度を探し、対応する視認HEXを使う。
呼び名 | 月齢 | 分隊視認距離(m) | 照度(%) | 大隊視認距離(m) | 視認HEX |
新月 | 0 | 55 | 0 | 110 | 0 |
三日月 | 3 | 140 | 8 | 280 | 2 |
上弦の月 | 7 | 170 | 47 | 340 | 2 |
満月の3/4 | 12 | 220 | 93 | 440 | 3 |
満月 | 15 | 250 | 100 | 500 | 4 |
補足)
・新月の場合は0なので夜間戦闘は行わない。
・Friedlandの戦い(1807/6/14)の照度65%を検索する場合、URLの末尾にMM/DD/YYの形式で
年月日を入れる。
表示結果は下図の通りになる。照度65%なので視認HEXは2となる。
<個人的な感想>
かなり大雑把な決め方であるが、ここは雰囲気重視で使うことにする。