バタイユゲームのワグラムの戦い戦闘序列(フランス軍)には、
8ヶの軍団が記載されている。これを眺めていて、少し気になった
事があったので、調べてみた。きっかけは、第6軍団の司令官が
Grenier少将であった事である。大陸軍の第6軍団といえば、
今まではNey元帥が司令官であった。しかし、Ney元帥はスペインで
戦っており、やはり第6軍団を指揮している。
この当時のフランス軍の軍団番号は、一貫番号ではなく、
各方面軍と大陸軍(ナポレオンが直接指揮する軍)で個々に
割り振られている。ナポレオンが皇帝になってからは、同時期に
複数の地域で大規模な戦役を行う事はなかった。しかし、
1809年になって、初めて2地域で同時に戦役が続く事になった。
スペイン方面軍と大陸軍の軍団番号と司令官を下記に纏めてみた。
参考用に1805年のウルム戦役(対オーストリア)の時の司令官も記載した。
軍団番号 | スペイン方面軍1809 | 大陸軍1809 | 大陸軍1805 |
1 | Victor元帥 | なし | Bernadotte元帥 |
2 | Soult元帥 | Lannes元帥 *1 | Marmont少将 |
3 | Moncey元帥 | Davout元帥 | Davout元帥 |
4 | Sebastiani少将 | Massena元帥 | Soult元帥 |
5 | Mortier元帥 | MacDonald少将 | Lannes元帥 |
6 | Ney元帥 | Grenier少将 | Ney元帥 |
7 | St.Cyr少将 | Lefevre元帥 | Augereu元帥 |
8 | Junot少将 | (Vandamm少将) | なし |
9 | なし | Bernadotte元帥 | なし |
10 | なし | (Jerome Bonaparte) | なし |
11 | なし | Marmont少将 | なし |
大陸軍1809の( )付の軍団は、ワグラムの戦いには不参加である。
なお、1809年の大陸軍には、何故か第1軍団がない。理由は不明である。
*1 アスペルン・エスリングの戦いで戦死したので、ワグラムの戦いはOudinot少将。
<個人的な感想>
2正面戦争ができるフランス軍の戦力に感心する。同盟軍や急造の師団を補充したとしても、
戦力を整備できるのは凄いと思う。