ナポレオン戦争の部隊単位が革命戦争と大きく違った点を調べてみた。
1)軍団の導入
師団の上に軍団を導入し、師団の騎兵部隊と砲兵部隊を軍団直轄に
変えている。また、騎兵予備としての騎兵軍団もできた。
2)兵科師団の創設
革命戦争の師団は歩兵師団となり、また、独立した騎兵師団が創設された。
3)戦列歩兵連隊の大隊編成と規模変更(兵站大隊を除く)
革命戦争1794年 | ナポレオン戦争 | |
1ヶ連隊の大隊数 | 3 | 4 |
1ヶ大隊の人数 | 984 | 780 |
1ヶ連隊の人数 | 2952 | 3120 |
4)戦列歩兵大隊の中隊編成と規模変更
革命戦争1794年 | ナポレオン戦争 | |
1ヶ大隊の中隊数 | 8〜9(*1) | 6(*2) |
1ヶ中隊の人数 | 123 | 130 |
1ヶ大隊の人数 | 984 | 780 |
(*1)通常のフュージリアー中隊が8ヶ、擲弾兵が配属される場合に9ヶ中隊になる。
(*2)通常のフュージリアー中隊が4ヶ、擲弾兵中隊が1ヶ、軽歩兵の
ヴォルティジュール中隊が1ヶの計6ヶ中隊となる。
<個人的感想>
ナポレオン戦争の最大の特徴は、1)の軍団の導入である。以前は軍司令官が
個々の師団に命令していたか、臨時に軍団相当の部隊に纏めて指揮官を置き、
彼らに命令していた。
ナポレオンは自分で全て仕切りたいが、全ての師団に命令するのは無理である。
そこで、有能な(と思われる)部下を間に置いて、ある程度の自由度を与えながら
全体の指揮を執る方法として軍団を活用したと思われる。
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