クルムの戦いのトルストイ中将

ATOのバタイユゲームLa Bataille de Kulmの表紙はトルストイ中将である。
彼を表紙にした理由を明確に示した記載は見当たらない。しかし、推測はできる。
以下に推測をメモしておく。

1.表紙の理由
  初日の戦いの決定的な局面に近衛連隊を引率して攻撃して左腕を失なうが、
  戦力で優勢なフランス軍を撃退できた為。
  (筆者注 これにより翌日の連合軍による包囲撃滅が可能になった。)

2.根拠
  ゲームの雑誌緒言にフランス軍ヴァンダム少将とトルストイ中将の記載がある。(下図に引用)
  その3ページ目に上記の記載がある。(下線部参照)



3.疑問 ”トルストイ中将は近衛連隊を引率Leadしたのか?”
(1)上記には記載があり、ロシア語版Wikiにも同じ記載がある。(下図は英語訳したもの)

(2)しかし、『ナポレオンに立ち向かうロシア』には引率した記載はない。(下図に引用)
  2枚目の画像の下線部を意訳すると以下の通り。
  近衛連隊の反撃から間もなく砲弾により腕を失い、担架で運ばれた時に次の言葉を発した。
  「私は満足だ。これが近衛兵を指揮する栄誉のために払った代償だ」。
  (筆者注 指揮するcommand事と引率Leadは違う。)


<個人的な感想>
ゲーム製作者はトルストイ中将が近衛連隊の反撃を引率したと判断し、
フランス軍を撃退した最大の功労者と考えた為に表紙に採用したと思う。

しかし、クルムの戦いのロシア軍指揮官評価でも記載したように、
後退進路を適切に判断し、クルムの戦いでも決定的局面に気付いたのは
ヴュルテンベルグ公オイゲン中将である。個人的には彼が表紙を飾るべきと思う。

<別件>
緒言2ページ目のトルストイ中将の肖像画の上に書かれた
THE OTHER GUY: Mr.HyphenatedでMr.Hyphenatedの意味が分からない。
ハイフォン付きの男と訳すとすると、評価が確定しない(ーで続くものがある)意味か。
肖像画の下2行目に記述があるthings are murkier about this guy
(この人物については事情が曖昧)が、その意味かもしれない。

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