反応突撃とは手番のプレイヤーの騎兵突撃(下図の例では①)に対して、
手番でないプレイヤーが対応する騎兵突撃(下図の例では②)を意味する。
それでは、反応突撃に対応する手番のプレイヤーの反応突撃(突撃していない騎兵、上図の例では③)を
可能とするかは検討する必要がある。
(1)Marshal Enterprisesの基本ルール
許容されていない。
”手番でないプレイヤー”の反応突撃地域内に入れば可能となるのが
反応突撃である。(士気チェックに成功した場合に限る)。
その為、手番のプレイヤーの騎兵は反応突撃できない。
(2)自家製ルール案
”手番かどうかに関わらず”突撃していない騎兵の反応突撃地域内に入れば反応突撃ができる。
(3)検討内容
”手番かどうか”が重要かどうかを検討する必要がある。
(A)シミュレーションの視点
(a)騎兵の速度
騎兵突撃はウォークから始まりギャロップで終わる。騎兵の速度はm/分に変換すると次のとおり。
ウォーク:100m トロット:240m ギャロップ:300m
バタイユゲームでは、1HEX100mなので、反応突撃の時間経過は以下と考えられる。
突撃開始から2分後 :手番プレイヤー騎兵が1HEX進む。(1分は余裕をみて)
非手番プレイヤー騎兵が相手の突撃を認識する。
突撃開始から4分後 :非手番プレイヤー騎兵が反応突撃を行い1HEX進む。(1分は余裕をみて)
手番プレイヤーは相手の反応突撃を認識する。
突撃開始から6分後 :手番プレイヤー騎兵が反応突撃を行い1HEX進む。(1分は余裕をみて)
バタイユゲームでは1ターン20分であるが、実行効率を半分として10分で模擬していると個人的に考えている。
その時間範囲に入るならば、実行は可能である。→反応突撃に対する反応突撃が可能である。
なお、反応突撃の連鎖は時間的に以下まで可能である(双方とも4つの騎兵が参加可能)。
自分の騎兵突撃ーー相手の反応突撃ーー自分の反応突撃ーー相手の反応突撃2ーー自分の反応突撃2
(b)走行距離
自分の突撃中騎兵が相手の反応突撃地域内に入るまでに時間が掛かれば、上記の連鎖は時間的に不可能である。
疲労面ではギャロップまで速度を上げるのは最後の160mであるらしい。
そこまではウォークとトロットの平均(170m/分)で移動すると想定すると、相手が反応するまでに4分掛かるので
それまでに模擬時間10分から引いた6分間が限界時間である。
170✕6=1020mが限界距離である。→バタイユゲームでは敵味方が10HXを超えて離れていると反応できない。
同様に自分の反応突撃は更に2分掛かるので、その分を引いた170✕4=680mが限界距離である。
→バタイユゲームでは敵味方が6HXを超えて離れていると自分の反応突撃ができない。
(B)ゲームプレイの視点
(a)騎兵の走行距離を数えながら反応突撃の可否を判断するのは煩雑で現実的ではない。
その意味でMarshal Enterprisesの基本ルールが相手の距離に関係なく反応突撃までとしているのは納得できる。
(b)次の簡略化した案なら自家製ルールとして使えると考える。
敵味方が反応突撃地域内(軽騎兵なら4HEX、重騎兵なら3HEX)に全ている場合に、
自分の反応突撃までを可能とする。→相手の反応突撃2以降は諦める。
(4)参考資料
下記のWEBページにお世話になりました。ありがとうございます。
・騎兵の速度は”祖国は危機にあり”さんの行軍速度WEBページ
・突撃速度と走行距離はNapoleon’s ArmyのCavaley Charge
<個人的な感想>
色々考えると深みにハマって現実的でないルールになるので、ある程度の割り切りは必要である。
今回は自分の反応突撃を簡単な条件付きで可能とした。
その理由は、2番目の騎兵(上図の例では③)を温存したいためである。相手が反応突撃をしなければ、
この騎兵は次のターンで使える。もし自分の反応突撃が許されないなら、相手の反応突撃を邪魔するために
1番目の騎兵と同時に敵騎兵(上図の例では②)を目標に突撃する必要が出てくる。次のターンでは使えない。
2番目の騎兵を温存するためにルールを追加するかどうかは個人の好みによるが、
プレイヤーに選択肢を与えることは良いと思う。