ベルナドットとベートーベン

 ベルナドットは、大使としてウィーンに住んでいる色々な人々と会う機会が多かった。

その中で、作曲家のベートーベンとも何回か会った。ベルナドットがナポレオンの為に

英雄交響曲の製作を勧めたとの間違った話があるが、これはない。

ベルナドットは、ナポレオンを嫌っていて、そんな事を勧めるとは思えない。

ただ、ベートーベンは共和主義に共鳴する部分もあり、ナポレオンの事をベルナドットに

尋ねて、色々聞いたことはありそうである。この時、悪口を言うベルナドットではないので、

良い話とナポレオンの才能・博識を誉めたかもしれない。

 また、フランス人ヴァイオリニストのロドルフ・クレゼール(Rodolphe Kreutzer)が

ウィーン大使館に出入りしていて、ベルナドットの紹介でベートーベンとも知り合った。

後にヴァイオリン・ソナタ”クロイツェル(クレゼールのドイツ語読み)”を彼に献呈した。

 

<個人的感想>

 フランス人とベートーベンとは結構つながりがある。1809年にアスペルン・エスリングの

戦いで戦死したランヌ元帥の葬儀では、フランス音楽隊がベートーベンのソナタ第12番第3楽章

(ある英雄の死を悼む葬送行進曲)を演奏した。

英雄交響曲がナポレオンをイメージして作曲された話は有名であるし・・・。

戦争相手の国の作曲家、ヴァイオリニストだからと非難されないのは、当時は寛大な人が

多かったのかも知れない。

 

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