War and Peaceのシミュレーション変更第3回

スペインのゲリラ戦を変更することにした。

1.背景
  オリジナルゲームでは、ゲリラ(ルールではパルチザンと表示)の
  ユニットを使い、戦闘を回避できる特殊ルールを適用している。
  しかし、史実ではスペイン正規軍が指揮していたわけではなく、
  各々が自発的に局所的な戦闘を行なっていた。
  その為、ユニットを使わない方法が良い。

2.変更の考え方
  フランス軍の補給と消耗にスペイン特殊ルールを適用する。
  補給線上に護衛隊を配置しないと補給切れとし、この場合の
  消耗を厳しくする。
  これは、ゲリラが主に輸送部隊を狙ったこと、フランス軍が
  大部隊を警護に付けたことを反映している。

3.具体的な変更内容
(1)補給
   平地では2HEX毎に、山地では1HEX毎に1戦力の部隊がいないと補給切れとする。
(2)消耗
   補給切れの場合のみ消耗する。この場合、不毛地帯の普通気候を参照する。
   フランス本国からの補給線が切れた場合、各都市の要塞能力(収容戦力)だけの
   戦力までしか補給できない。余った戦力は補給切れになる。
   フランス本国からの補給線が続いている場合は、補給能力に制限はない。
(3)勝利条件
 (A)フランス軍
  (a)完全勝利
    スペインの全都市を占領し、更にその都市間の補給ができること。
    例)下図のように37戦力(約19万人)の戦力が必要である。
      →1811年に約20万人がゲリラ対策に当たっていた事に対応する。

  (b)部分勝利
     次の計算で51点以上ある。
     大都市占領で4点、中都市占領で2点、
     都市間の補給路が1点(平地では2HEX毎に、山地では1HEX毎)
  (c)イギリス軍の退却
     (初期配備戦力)✕0.4の戦力を下回ったら、イベリア半島から退却する。
  (d)ポルトガルの脱落
     (初期配備戦力+5)✕0.4の戦力を下回ったら、連合軍を抜けて中立になる。

 (B)連合軍(スペイン・イギリス・ポルトガル)
  (a)完全勝利
     フランス軍が(初期配備戦力+5)✕0.4の戦力を下回った。
  (b)部分勝利
     上記(A)(b)のフランス軍の計算で50点未満である。

(4)その他
 (A)ジブラルタル
    ジブラルタルは難攻不落であるので、ゲームでは出入り禁止にする。(簡略化)
 (B)リスボン
    リスボン近郊にはトーレス・ヴェドラス線の要塞群があり、難攻不落である。
    ゲームでは、以下の扱いとする。
    イギリス軍・ポルトガルとも退却・脱落していない場合、フランス軍は攻略できない。
    イギリス軍が退却している場合、要塞側にいる戦力を4倍にする事以外は普通の要塞と扱う。
    ポルトガルが脱落している場合、イギリス軍は駐留できない。(ポルトガルは戦場にならない)
 (C)指揮官
    フランス軍指揮官の統率力は、スールトが1、他は0とする。
    なお、ネイ元帥はロシア遠征準備のために本国に戻っているのでユニットを使わない。
    連合軍指揮官はの統率力は、ウェリントンが2、他は0とする。

<個人的な感想>
戦略ゲームは”司令部での陸軍指導部”の立場で戦況・決断を再現したいと思うので、
ゲリラ部隊を運用するのは適切でない。