ベルナドットのパリ派遣(3)

ベルナドットの報告書の続き。

”五百人会の警護を指揮する将軍に3人が候補になっています。クレベール、ドゼー、セリエです。

このような職は3人に対して敬意を欠くものだと誰もが認めています。クレベールは、そんな職は

受けません。哲学的な共和主義者(クレベール)は、1つの派閥の弱さを笑い、もう1つの派閥の

強さも笑う。しかし、もし、有事の際には、2つの派閥の間に立って3色旗の味方である事を表明

するでしょう。彼は我々が勝利する事を願っています。私は彼と共に立つでしょう。彼は戦場と

同様に人々を鼓舞し、彼がしばしば誉めた政府(*1)に留まるでしょう。

パリは名誉を重んじる人には恐るべき所です。私は既にウンザリしており、すぐに離れるつもりです。

私は貴方に騎兵部隊を送れるように最善を尽くします。もし可能ならば、リシュポンス(Richepanse)

将軍の師団を。もし新たな戦争が起こるなら、貴方には増援が必要な事をカルノーは分かっています。

私は、この件で明日にでもバラスとルーベルに話をしようと思います。

敬意と敬愛を込めて、 ベルナドット。”

(*1)ここには嘘が含まれている。ベルナドットの参謀長サラザン准将(当時は大佐)の回想録には、

クレベールがベルナドットに次のように言ったと書かれている。

”政府が5人の強盗達で構成されているだけではなく、各々の市長も同類である。”

(5人の総裁を強盗と呼んでいる。)

 

<個人的感想>

 ナポレオンがベルナドットを派遣した目的の1つは、上記の報告にあるように、

政府から増援部隊を引き出す事にあったように思う。元々は政府がベルナドットを

選んでイタリア方面軍に派遣したので、彼の見解は他の将軍よりも重んじられると

判断したのではないか。それで、扱い難く、自分に忠実でもない彼を送ったと思う。

また、共和派と王党派に送った代理人と異なる第3者からのパリの状況報告も

あっても良いし。

 なお、ベルナドットはクレベールを敬愛していたので、不都合な事は書かないか、

嘘も方便で書き換える点は納得。

 

<リンク>

ブログのトップページは、こちら

バタイユゲーム情報班のホームページは、こちら