ナポレオンと同じく、1797年3月にパドバにて初めて対面した。
その時に、ベルティエとベルナドットの間で、次の2件のやり取りが
あったとの事。
1)ミラノでのデュプイ大佐とベルナドットとの口論について(*1)の会話。
ベルティエは、軍の良い将校である大佐をベルナドットが侮辱したと、
皮肉を込めて言った。それに対して、ベルナドットの返答は次の通り。
”私は反抗的な士官を懲罰した。彼が役目を果たしたかどうかを
気にかけているなら(*2)、私は貴方の味方である。 あなたも、
私と同じ少将である。このような尊大な態度を取るなら、同格の
階級である事を思い出して欲しい。”
結局、ベルティエは謝罪した。
(*1)ミラノ駐留軍の指揮官であるデュプイ大佐が手配したベルナドット
師団兵士用の宿泊施設は、見捨てられた女子修道院であった。
医療士官から健康上の問題があるとの報告を受けたベルナドットは、
デュプイ大佐に他の施設への変更を命じたが、彼は次のように拒否。
”この施設は、イタリア方面軍の市民達には十分なものです。従って、
ライン軍の紳士達にも気に入って貰える筈ですが。”
この皮肉に取り合わずに、一般の施設へ変更するように命じたが、
デュプイ大佐はボナパルト将軍の命令でなければ従えないと反抗
したので、逮捕させた。
この件は、ナポレオンも報告を受けたが、特に重要視せずに
聞き流したらしい。
(*2)分かり難いが、”大佐が駐屯軍の指揮官として増援部隊の
宿泊に適切に対応したかと気にしているとすれば”の意味と思う。
2)ナポレオンと共にベルティエがベルナドット師団を閲兵した時の会話。
ベルティエは、優雅な制服を着た紳士達が砲撃で怯えないか心配だと
言ったらしい。それに対して、ベルナドットの返答は次の通り。
”心配無用です。私の師団の兵士は、全て貴方のように勇敢です。”
<個人的感想>
2件の会話とも皮肉が含まれていて、出だしから2人は気が合わなかった
ように思える。また、ベルナドット師団は補給・衛生面など兵士の管理が
しっかりしていた事が伺われる。
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