クレベールから指示を受けた日に、ベルナドットは以下の宣言をマーストリヒト市内に
公布した。その内容を意訳してみた。
<宣言>
治安判事へ、
秩序とルールが厳しく監視されるように、また、軍紀が刑事免責で乱されないように、
以下の宣言を通常の形で貴官に要約する。
・フランス軍人を泊めている人は、宿泊者の名前と階級を直ちに治安判事へ報告しなければならない。
・治安判事は秩序を乱したフランス軍人を私に知らせること。共和政の法律の下に私が処罰する。
・敵が我々について貴官に警告していたことは疑っていない。よかろう、フランス共和国の
人間は穏やかで、公正で、感じやすく、気前が良く、敵に対しては恐ろしくなる事を時が
立てば分かるだろう。
・敵は戦争を続けることを余儀なくされる。それも、偽善の仮面の下で、人々の忠節をだまして、
秩序を乱す人間によって、不変の正義の下に遂行されることも時が立てば分かるだろう。
・この宣言は市内の全ての通りで読めるし、掲示される。
<個人的感想>
征服者が略奪などをするのが珍しくない時代であるが、マーストリヒト市民にフランス軍人でも
秩序を乱せば罰せられる事を明言した事で彼らの不安を解消させたと思われる。
ベルナドットの部下は、彼が以前から”秩序が好きな”事を分かっているので、特に驚かなかったのでは。
上記宣言の3番目と4番目は、実質的な効果はないが、飾りの文章としてあっても良いかもしれない。
”よかろう、・・・”は前回のクレベールの指示にある”よかろう、我々は行動で人々の目を開かせよう。”を
受けたものと思う。
<リンク>