つづき
(2)ゲームデータ
(A)部隊士気
オリジナルゲームはオーストリア、プロシアが1(スペインと同じ)で、
ロシアとフランスが2,親衛隊(各国共通)が3である。
旧軍制であるが歴戦のオーストリア、プロシアがスペインと同じなのは納得できない。
そこで、1805年から1808年までは各国の正規兵を次のように変更する。
親衛隊はフランスのみとして、他国は正規兵に変える(フランスほど功績がない)。
フランス | オーストリア | プロシア | ロシア | |
オリジナル | 2 | 1 | 1 | 2 |
変更案 | 2 | 1.3 | 1.3 | 1.4 |
1.3などの小数点があるものは、次のように扱う。0から2の乱数を発生させて、
1.3以下なら1とし、1.3を超えたら2として士気の値に使う。(確率65%で1)
(B)部隊指揮官の統率力
ナポレオンの圧倒的な能力の高さが表現されないので、以下のように変更する。
なお、ベルナドットとネイは有能に変更する。
ナポレオン | 有能 | 普通 | |
オリジナル | 3 | 2 | 1 |
変更案 | 4 | 1 | 0 |
(C)移動力
バタイユゲームでも使っている荷馬車の移動速度3km/hをベースに、1日7時間の平均移動時間を
仮定すると1ケ月(30日)では630kmとなる。War and PeaceのHEX64kmを適用すると10HEXとなる。
オリジナルゲームの3HEX(強行軍で最大6HEX)は小さすぎる。
そこで、補給有無、状況、国により以下とする(単位はHEX)。詳細については、消耗で詳しく書く。
連合国はフランスに比べて兵站の機動性が低いので、20%ほど小さくした。
一般地帯 補給あり | 一般地帯 補給なし | 不毛地帯(*1) | ||||
季節 | 通常 | 冬季 | 通常 | 冬季 | 通常 | 冬季 |
フランス | 10 | 9 | 8 | 7 | 5 | 4 |
連合国 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 |
(*1)不毛地帯は、補給”あり”と”なし”は同じ扱い。
オリジナルゲームは、指揮官が同行しないと歩兵は移動できない。
しかし、指揮官の数で部隊運用を制限するのは疑問がある。
少なくとも1ケ師団に相当する1戦力は、命令があれば自由に動けるほうが現実的である。
そこで、1ターン遅れで命令を実行できるようにする。
→移動の前に指揮官が同行していない部隊に対する命令発行を行う事にする。
命令がなければ、この部隊は現在地に留まる。
命令は簡単なもので、移動する場合の目的地と次の基本行動を示す。
・専主防御 : 現在地か目的地に居て、隣接HEXを敵が通過しても無視する。
敵が攻撃してくれば、相手にしないで後退する。
・遅滞防御 : 現在地か目的地に居て、隣接HEXを敵が通過したり
敵が攻撃してくれば、遅滞戦闘(戦闘ルールで詳しく書く)を行う。
・継続攻撃 : 目的地の敵を攻撃し、敵が逃げれば追いかける。
・目的地占領 : 目的地の敵を攻撃し、占領したら全滅するまで留まる。
・その他 : 状況に応じて命令を作る(移動・攻撃の有無、目標など)。
(D)戦闘結果
戦闘結果は損失が大きい場合が気になったので、少し小さくした。戦力比1:1の例を次に示す。
また、2:1以上は同じデータにしていたのを、2:1、2.5:1、3:1以上に拡大した。
(注)D3とD2は同じ扱い
賽の目 | オリジナル | 変更案 | |||
大部隊 | 小部隊 | 大部隊 | 小部隊 | ||
2 | D3 | 1 | D2 | 1 | |
3 | D2 | 1 | ⇒ | D1 | 1 |
4 | D1 | 1 | D1 | 1 | |
5 | 1 | 0 | ⇒ | 1 | 1 |
6 | 1 | 1 | 1 | 1 | |
7 | 1 | 1 | 1 | 1 | |
8 | 1 | 1 | 1 | 1 | |
9 | 0 | 1 | ⇒ | 1 | 1 |
10 | 1 | D1 | 1 | D1 | |
11 | 1 | D2 | ⇒ | 1 | D1 |
12 | 1 | D3 | 1 | D2 |
(E)戦闘損失表
上記とのバランスでD2(大損害)の戦力が大きい場合の損失を大きくした。(直線的に増加するように)
戦力 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
オリジナル | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 9 |
変更案 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 | 4 | 4 | 4 | 6 | 6 | 6 | 7 | 7 | 7 | 8 | 8 | 9 |
次回へつづく
<個人的な感想>
戦闘結果と戦闘損失表の変更は、根拠のあるデータを元にしている訳ではなく、
感覚的なものである。プレイテストで評価してみないと、良否は分からない。