前回の”コサックは敗走する敵を逃さない”との話しに興味を持ったので、
1812年戦役はどうだったのか、調べてみた。
1.ロシア戦役の概要
下図の纏めが分かり易い。Charles Joseph Minardが描いたものの
英語版(原典はフランス語)に主な帰還戦闘(Vyazma, Krasnoi, Berezina)を追記した。
上の帯が侵攻軍の規模(幅が兵数を反映)、下の帯が帰還軍の規模を表す。
42万人で侵攻して、帰還したのは1万人である。
ナポレオンでなければ、無能の将軍として歴史に名を刻んだはずである・・・。
2.コサックが帰還フランス軍に与えた損害
The Cossacks 1799-1815の53ページ目に纏め表がある。下図に引用する。
主な戦闘(Vyazma, Krasnoi. Berezina )の日付を追記した。
50日間で、以下の戦果を挙げている。
殺傷: 約2万人、 捕虜: 将軍10人、 将校約1000人、 兵士約4万1千人
なお、大砲や弾薬車は、主にフランス軍の馬不足(飼葉がなくて馬がほとんど死亡)による遺棄が原因である。
<個人的な感想>
何だか鮫のいる海を泳いで帰るような怖さがある。帰還フランス軍は、馬不足で騎兵・砲兵は
実質無力になり、弾薬車もなくて手持ちの弾薬(35発)などで射撃するのは、余りにも非力である。
これで約1000kmの道を約50日間かけて徒歩で帰るのは気が遠くなる・・・。
<リンク>