Landwehrを和訳すると、WikiでもGoogleでも”ラントヴェーア”と
ドイツ語の発音をそのまま流用している。何故だろうか?
色々調べた結果を以下にメモしておく。但し、結論は不明である。
1.Landwehrの定義
強制的に徴兵されるものであるが、現役と違い、通常は日常生活を送っている。
戦時などや平時の訓練などに呼ばれる。現役の任期を完了した兵士などが該当する。
それ以外にも、現役でない成人男子が該当する。
2.各国の状況
ナポレオン戦争時代には、国別に呼び名や有無が違っている。
国 | 有無 | 呼び名 | 和訳 | 創設年 | 創設のキッカケ |
フランス | 有 | la Garde nationale | 国民衛兵 | 1789 | フランス革命 |
オーストリア | 有 | Landwehr | ラントヴェーア | 1808 | 対ナポレオン戦争 |
プロシア | 有 | Landwehr | ラントヴェーア | 1813 | 対ナポレオン戦争 |
ロシア | 無 | (常備軍のみ) | |||
イギリス | 無 | (常備軍のみ) |
(参考)
1)アメリカ合衆国は、独立後の戦力強化に民兵を招集していたが、その後1916年にNational Guard
(州兵と和訳される。フランス語の Garde nationaleを英語にしたものと同じ)となる。
これが、上記のLandwehrと同じ予備軍である。
2)旧日本軍では、明治維新後の1873年に徴兵令を定めて、現役・予備役・後備役の区分にした。
現役の任期を完了した兵士は予備役に、予備役の任期を完了した兵士は後備役になる。
3.和訳の難しさ
同じような制度が国毎に呼び名と和訳が違うので、統一できない。旧日本軍の後備役(又は後備兵)を
使っても、現在では同様の制度が無い為に何の事か理解できない。
4.和訳案
Landwehrを英語に直訳するとland guadである。日本語に直訳すれば国土防衛になる。しかし、
国土防衛隊(又は国土防衛軍)や国土防衛兵という言葉も一般的ではない。
<個人的な感想>
和訳は難しい。英語のHome Guardの和訳である郷土防衛隊の方が、良さそうである(意訳に近いが)。