前回までの検討でパターン1Eを到着遅延の統一ルールとする事にした。
ほとんどのシナリオでは、この統一ルールが使えそうであるが、パターン5Cの
代替えを行う際にはデータ作成に注意が必要である。以下に要点を整理する。
1.パターン5Cの概要
1)通常の増援ルールとの違い
A)地図端から登場する増援部隊ではなく、地図上にある部隊が対象である。
B)部隊指揮官または上級指揮官の副官が当該部隊に到着したターンの
次のターンから移動が可能になる。但し、賽の目で移動できるターンが決まる。
2)アウステルリッツのシナリオ4の例
A)Miloradovich師団の場合、彼の副官が黄色〇(中の文字M)の連隊に到着した次のターンに
サイコロ1ヶを振り、賽の目で移動可能となるターンを決める(そのターン、次のターン、その次のターンなど)。
なお、Novgorod連隊(略称No)は、Miloradovich中将と一緒に居るので、いつでも移動可能である。
B)オーストリア軍の第1師団、第2師団の場合、ロシア皇帝の副官2人(WinzingerodeとDolgorski)が
黄色の〇(中の文字WかD)の連隊か大隊群(2~3ヶ大隊)に到着した次のターンにサイコロ1ヶを振り、
賽の目で移動可能となるターンを決める(そのターン、次のターン、その次のターンなど)。
C)副官は1ターンの間当該部隊に留まり、次の連隊・大隊群に移動できるのは次のターンになる。
2.到着遅延の統一ルールの対応
1)上記のパターン5Cを統一ルールで対応するには、次の変更を行う。
A)副官の移動はやめる。
手間がかかるし、1ターンに1連隊・大隊群しか行けないので、各部隊の移動可能な時間を
1連隊・大隊群毎に1ターンずらす事で同様な効果が得られる。
B)増援として扱い、時間は上記A)を反映して下記とする。( )内は略称。
a)Miloradovich師団
9:00 Smolensk連隊(Sm)、重砲兵中隊(3)
9:20 Asperon連隊(As)、通常砲兵第1中隊(4/1)
9:40 Little Russia連隊(LR)、通常砲兵第2中隊(4/2)
b)オーストリア第1師団
9:00 第23連隊(4/23)、重砲兵中隊(1)
9:20 3ヶ大隊(VW、20/6、24/6)、通常砲兵第1中隊(4/1)
9:40 竜騎兵連隊(4/1)、通常砲兵第2中隊(4/2)
c)オーストリア第2師団
9:00 2ヶ大隊(1/6、9/2)、重砲兵中隊(2)
9:20 2ヶ大隊(55/6、38/3)、通常砲兵第3中隊(4/3)
9:40 2ヶ大隊(58/3、49/6)、通常砲兵第4中隊(4/4)
10:00 2ヶ大隊(29/4、40/6)
C)賽の目に対応した到着時間の遅れは、パターン1Eのままとする。
<個人的な感想>
パターン5Cは、アウステルリッツの戦いでのロシア軍命令系統の鈍重さを模擬したものと思う。
各副官が走り回って部隊を動かす事で再現しようとしている。それも面白いとは思うが、操作に
手間をかけてまで行うのが良いか、部隊の行動遅延と割り切ってプレイし易さを求めるのが良いか、
の選択である。自分としては、雰囲気重視の前者に惹かれるが、後者を採用する事にした。
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