前回のつづき
3.勝利条件の補正
基本的には前回の勝利区分で判定する。しかし、特殊な事例については、以下の補正を行う。
(1)重要人物の戦死または捕獲
ME版ではナポレオンが戦死または捕虜になった場合は、無条件にプロシア軍の決定的勝利となる。
これは史実にはないが、条件として妥当と思う。他に人がいないか検討する。
(A)フランス軍
歴史的に見ても、今後のフランスに重要な影響のある人物はいない。(代替が可能である)
(B)プロシア軍
(a)プロシア王と王妃
COA版(ME版も同じ)のアウエルシュタットの戦いでは、この2人のどちらかが捕虜になると
フランス軍の決定的勝利となる。今回のME版では、この条件がない。
この条件は妥当と思うので追加する。但し、ナポレオンの戦死・捕虜が生じれば、この条件は無視する。
→歴史的に見て、重要度が全く異なる。たぶん、プロシア王と王妃は代替が可能である。
(b)プロシア軍人
歴史的に見て、重要な人物が3人参加している。この人物が戦死(捕虜は除外)した場合、
その後のプロシアに大きな影響を与えると思う(代替が困難)。各人が戦死した場合は、
1人1段階づつフランス側の勝利判定を有利にする。例えば、軍レベルが引き分けでも、
3人が戦死したらフランス軍の決定的勝利とする。但し、ナポレオンが戦死すれば、この条件は無視する。
・ブラウンシュヴァイク軍の参謀長 シャルンホルスト大佐 (プロシア軍の改革、参謀本部の創設)
・ホーエンローエ軍の参謀 グナイゼナウ大尉 (同上、シャルンホルストの後継者)
・ルッヘル軍団の参謀 クラウゼヴィッツ大尉 (戦争論の執筆)
〔簡単なメモ〕
シャルンホルストとグナイゼナウがいなければ、1808年以降のプロシア軍改革ができなかったと
思われる。そうなると1813年の戦役でプロシア軍は有力な戦力になれず、ナポレオン戦争が
長期化したと予想できる。また、ドイツ参謀本部が史実のような有能な組織にならなかった可能性がある。
クラウゼヴィッツについては、上記2人に比べればプロシア軍改革と参謀本部創設の影響度は小さい。
しかし、「戦争論」を執筆した事で、その後のプロシア軍・ドイツ軍の戦争理論を作った功績は大きい。
「戦争論」がなかったら、史実のような強いドイツ軍にならなかった可能性がある。
(2)フランス軍老親衛隊(Old Guard)の扱い
ME版では明記がない。しかし、老親衛隊モラルが下がった場合、フランス軍全体に与える
影響は大きい。ワーテルローの戦いのように、フランス軍全体のモラル崩壊があると思う。
そこで、次の補正を追加する。
・フランス軍老親衛隊モラルが一度でも3(最低)になった場合、3段階フランス側の勝利判定を不利にする。
→軍レベルが引き分けでも、プロシア軍の決定的勝利とする。
(注)老親衛隊に臨時配属された徒歩竜騎兵は、老親衛隊モラルの計算から除外する。
<個人的な感想>
ナポレオンやプロシア王・王妃が戦死・捕虜となる可能性は低い。そもそも、最前線に出る必要がない。
しかし、次の2つは運用に注意が必要である。
A)プロシア軍の未来を背負う3人は陣頭指揮を避ける。他の指揮官に代行させるべき。
B)フランス軍老親衛隊の最前線投入は極力避ける。史実でもワーテルロー以外は例がない。
なお、全ての勝利条件の補正はゲームバランスを崩すような事はないと思う。
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