4.ドルンブルク隘路の通過時間検討
(1)急勾配を登る為の必要な人力増加
(A)物理の問題
上り勾配を登る場合には、下図のような後ろ向きの力がかかる。その為、大砲や
荷馬車を登らせるには、歩兵などの人力を追加する必要がある。
角度θの求め方は、下記のWEBページにお世話になりました。ありがとうございます。
⇒水平距離と標高差が分かれば角度θが求まり、後ろ向きの力Fが下記の式で求まる。
F = 重さ × g(重力加速度) × sinθ [単位はニュートン]
単位をkg重に変更すると以下になる。
F = 重さ × sinθ [単位はkg重]
(B)ドルンブルク隘路の角度
Googleマップから求められる。特に勾配がきついのは、下図のL字に降り曲がる
地点から高台の頂点までである。
(a)計測開始地点と終了地点
(b)Googleマップでの計測結果
水平距離=600m、 標高差=83m
(C)ドルンブルク隘路での後ろ向きの力
角度θは、arctan(83÷600)=0.137ラジアンである。従って、後ろ向きの力Fは、
重さ × sinθ で 重さ(kg)×0.137kg重である。
例えば、6ポンド大砲の場合は重さが1350kg(*1)あるので、後ろ向きの力が185kg重になる。
(*1)Napoleonic Ordnance Weight and Range Tables p77.
<個人的な感想>
Googleマップは大変便利である。地形が分かる航空写真もあれば、水平距離と標高差も
計算できる機能もあり、こんなに便利とは知らなかった・・・。