ナポレオン戦争中のColonel Général

 1805年戦役の指揮官を調べていた時に、Baraguay d’Hillersが1804年に

Colonel Général des Dragonsに任命されたとの記述があった。気になったので、

Colonel Généralについて調べてみた。

1.階級

  元帥の下で大将に相当する位であるが、フランス革命戦争中は停止されていた。

 ナポレオンが名誉階級として復活させたが、その後は廃止された。

 なお、兵種1つにつき1人に限定される。

2.ナポレオンが任命した人物

  基本的に1人目が死亡または元帥に昇進した際に、2人目が任命される。

兵種1人目と任命年2人目と任命年
猟騎兵(Chasseurs à cheval)マルモン少将1805年グルーシー少将1809年
胸甲騎兵(Cuirassiers)サン・シール少将1804年べリアール少将1812年
竜騎兵(Dragons)ディリエ少将1804年ナンスティー少将1813年
ユサール(Hussards)ジュノー少将1804年なし
親衛隊擲弾兵(Grenadiers à pied de la Garde)ダブー元帥1804年なし
親衛隊猟兵(Chasseurs à pied de la Garde)スールト元帥1804年なし
親衛隊砲兵、海兵(Artilleurs et marins de la Garde)モルティエ元帥1804年なし
親衛隊騎兵(Cavalerie de la Garde)ベシエール元帥1804年スーシェ元帥1813年
スイス兵(Suisses)*1ランヌ元帥1807年ベルティエ元帥1809年

*1 元は国王の護衛隊である。

 

3.年収

  現在の階級(元帥、少将)の他にColonel Généralとして、2880万円が支給される。

  ・UN APERÇU HISTORIQUE SUR LA SOLDE のp18から2400円/フランの換算で計算。

 

4.服装

  下図の左側が竜騎兵大将のディリエ、右側が胸甲騎兵大将のサン・シールである。

 

<個人的な感想>

 1804年に元帥に任命しなかったマルモン、ジュノーなどをColonel Généralに任命しているので、

元帥に次ぐ名誉と年収を与えて懐柔しているように見える。

ダブー、スールト、モルティエ、ベシエールの4元帥は更にColonel Général分の年収増加があり、

相当信頼しているのか買収したのか推測に迷う所である。

 

<リンク>

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