ウルム戦役のベルナドット(2)

 オーストリア軍の予想を超える早さで17万8千人のフランス軍がドイツ南部に集結した。

オーストリア軍は7万2千人で戦力的に劣勢となったが、後退せずに北は

ドナウ川、西はイラー川で防衛し、ロシア軍の増援7万人を待つことにした。

この判断は結果的に間違いとなり、オーストリア軍の実質的な指揮官マック中将は

非難を一身に浴びて後に投獄される事になる。

この判断に関して、祖国は危機にあり 関連ブログさんに詳しい検討がある。

 

<個人的な感想><自分ならどうしたか>

1)地誌の検討

下図の緑色はウルム周辺の主要道路*1である。軍団規模ならば、補給等の面で主要道路に沿って

行動するのが普通である。また、薄い黄色の地域はプロシア領で、当時は対仏戦争に対して

中立を決めていた。その為、普通に考えれば両軍とも通過は出来ない(戦争になるので)。

従って、普通に考えれば、下図のようにシュツトガルトからウルム要塞(北岸にある)への道路に沿った

攻撃が主力で、他は補助攻撃か牽制攻撃と予想される。

また、ウルムから東への主要道路は、一部(ガンツブルグからドナウベルト間)を除いてドナウ川の

南にあるので、移動面ではオーストリア軍が有利である。

*1 19世紀の主要道路については、こちらを参考にした。

 

2)判断結果

  自分もマック中将と同じく、現在位置で防衛しようと考える。確かに戦力的に劣勢だが、

ドナウ川、イラー川の大河が守ってくれるので、渡河地点に集中して守れば良い。

また、ここまで来て戦いもせずに後退するのは、軍の士気・自己保身の面でも決断し難い・・・。

→結果的には、上記の普通の考えは間違えでマック中将と同じ運命になる。我々は歴史的な

結果を知っているので、彼を非難するが、その場に居れば多くの人が同様な判断をすると思う・・・。

 

<リンク>

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