ベルナドットの陸軍大臣解任

 シエイエスは、基盤の弱い総裁政府に代わる強力な政府を作る為に、憲法改正を考えていた。

しかし、上院に当たる元老会は説得できても、下院に当たる五百人会の説得は難しい情勢にあった。

そこで、再びクーデターを計画したが、ベルナドットが陸軍大臣のままでは障害になると判断し、

バラスと組んで辞任を迫った。バラスもクーデターの必要性は認めていたので、最後の説得者として

ベルナドットと直接会って辞任を引き出した。

5人の総裁の中で、ゴイエとムーランは辞任に反対したが残りの3人(シエイエス、バラス、デュコ)

の多数決で、渋々認めることになった。また、陸軍大臣を推薦したジョセフとルシアンのボナパルト兄弟は、

ナポレオンを次のクデターの実行者にすることで既にシエイエスと合意していたので、辞任に反対しなかった。

こうして9月14日に辞任が公表された。約2ヶ月間の在任期間であった。

一方、ナポレオンは8月24日にはエジプトを去り、10月9日にフランスに到着している。

 

<個人的な感想>

 バラスはベルナドットを気に入っていたが、以前に2回もクーデターの打診を断られたので

実行部隊の指揮官にできないし、今回は陸軍大臣の職にあるので阻止されるかもしれないと思い、

やむなく切ったものと思う。バラスもシエイエスも以前のクーデターのように、実行後は自分達が

政権の実権を握れると思ったが、今回の相手はナポレオンであった・・・。

結局はナポレオン皇帝への道を開いてやったようなものであるが、自分たちは歴史を知っているので

そう思うが、当事者の2人は前回と同じと思うのも当然かもしれない。

 

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