騎兵追撃ルールの見直し

 騎兵の追撃ルールはME版、COA版とも次のように戦果が大きくない。

  ME版:サイコロ1ヶの賽の目(1〜6)

  COA版:白兵戦結果表か潰走で最大でも3(軽騎兵の場合は+1)

これでは、アルブエラの戦いでヴィストラ槍騎兵がイギリス軍1300人を壊滅させた事を

模擬できない。また、騎兵のモラル・戦力数なども反映されていないので、見直す事にした。

1)基本的な考え方

 A)砲兵諸元の見直しでも使った基準時間(10分)を使ってサーベルで歩兵に

  与える損害を試算する。

 B)モラルは、サーベルの命中率を計算する際に反映する。

2)サーベルによる死傷者数の試算

 A)騎兵の速度を標準的なトロット14.4km/hの80%(仮定値)とすると、

  1HEX(100m)を通過する時間は、

   100 ÷ (14.4×0.8×1000÷3600) = 31 秒。

 B)基準時間(10分)の平均として、31秒間でサーベルを振れる回数は1〜2回程度。

  中間値を取って1.5回とする。

 C)サーベルの命中率をNとして、1.5Nが騎兵1人が1HEXで歩兵に与える損出。

 D)戦力数にすると、騎兵は1戦力50人、歩兵は1戦力100人。騎兵1戦力が

  歩兵に与える戦力損出は1.5N÷2=0.75Nとなる。

 E)1騎兵部隊が与える損失は、追撃で移動できる距離を掛けて

   0.75N × 戦力数 × 移動力残数(HEX数) となる。

 F)命中率Nは、賽の目とモラルを基に以下とする。

   N = (賽の目+モラル補正+指揮官騎兵ボーナス+特別ボーナス)÷100×α

    賽の目 : サイコロ2ヶの賽の目を加算する(2〜12)。

    モラル補正 : 射撃戦と同じ(18-補正した部隊モラル)÷3を補正量とする。

            騎兵の場合、部隊の補正は50%以上戦力損失の修正のみ。

    指揮官騎兵ボーナス :  一緒なら印刷値、隣接HEXに居れば印刷値÷2(切捨て)。

    特別ボーナス : ヴィストラ槍騎兵は12、ポーランド槍騎兵は6、その他は0。

            (ヴィストラ槍騎兵などポーランド槍騎兵を特別扱いする為)

    α : 調整パラメータで、下記のデータを基に決めた。

        アルブエラの戦いでは、次の条件でイギリス軍歩兵13戦力に損出を与えた。

        時間=5分  ;上記2)A)の速度では約10HEX移動するので、移動力残数を10とする。

        兵力とモラル : ヴィストラ槍騎兵連隊 12戦力でモラル14、(*1) と

                 フランス第2ユサール連隊 7戦力でモラル15(*1)

        指揮官 : なし(師団長、軍団長は同行しなかった)

       (*1)バタイユゲームの値を採用した。

       上記の条件で賽の目合計が11か12の最大値の場合に損出戦力が13になるように、

      賽の目合計が10以下では損出戦力が13未満になるような値は、0.432になる。

      この場合、ヴィストラ槍騎兵連隊の命中率は12%、フランス第2ユサール連隊は6%になる。

 

3)他のゲームに参加した騎兵での試算

  ラシンの戦い、ライプチッヒの戦いに参加した騎兵の例は以下となる。なお、損失計算の際に

小数点以下は切捨てている。その為、戦力が3倍の差があっても損失は3倍にならない場合がある。

戦力が9以下の場合、ME版やCOA版と損失数に大きな差はないので、今回の見直しは良しとする。

国籍部隊名戦力モラル最大損出平均損失
オーストリア 第11ユサール連隊1816 8 5
ポーランド 第2槍騎兵連隊162210 7
フランス第5ユサール連隊 6 16 2 1
ロシア ソウム・ユサール連隊 8 16 3 2
プロシア ブランデンブルク連隊 9 15 4 2

 

<個人的感想>

 ヴィストラ槍騎兵連隊を優遇し過ぎかもしれないが、個人的にはナポレオン戦争で最高の騎兵と思う。

同様にポーランド軍槍騎兵は色々な戦いで戦果を挙げているので、優遇したい・・・(個人的な好みかも)。

他にも優秀な騎兵は居るかもしれないので、その場合には後日追加する。

 

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