前回のつづき。
D)有効距離までに兵士に命中した場合の影響
跳弾の距離が短くなる事例は見当たらないので、当面は影響なしとする。
E)砲弾の重さによる比較
8ポンド砲以外の大砲についても、有効距離と水平射撃時の跳弾距離を次に示す。単位はm。
参照元は、Artillery Equipments of the Napoleonic Wars p28。
第1目標の位置によっては、射撃時の仰角が大きくなるので、跳弾距離も伸びる。バタイユゲーム
への適用では、砲弾による違いは無視して、大砲の有効距離までは跳弾が有効であるとする。
もっと弾道を考慮した模擬をするならば、軍団司令官の立場を模擬するバタイユゲームの
レベルではなく、砲兵中隊長(大尉)の立場を模擬するゲームの方が適切と思う。
4ポンド砲 | 6ポンド砲 | 8ポンド砲 | 12ポンド砲 | |
跳弾距離 | 503 | 503 | 640 | 1006 |
有効距離 | 640 | 732 | 732 | 823 |
F)フランス軍以外の扱い
国により有効距離の違いはあるが、基本的な砲弾の運動は変わらないと思うので、
検討を省略する。ゲームとしての跳弾の扱いはフランス軍と同じとする。
2)ゲームでの跳弾の扱い
A)対象となる条件
a)第1の目標が2HEX以上(200m以上)の場合に限定する。
b)砲兵と第1目標を結ぶ延長線上に別の目標がある場合に跳弾の扱いをする。
B)跳弾の命中判定
a)第1の目標、別の目標は個別に命中判定を行う。
b)別の目標の命中判定時に賽の目の補正はしない。
⇒跳弾でも威力は変わらないので、命中率は距離のみに左右されると考えた為。
(参考)COA第3版では、第2目標はー12、第3目標はー24の補正をしていた。
最新のCOA30年度版では、賽の目の補正はしない。
C)跳弾の停止条件
a)大砲の有効距離を超えた場合に跳弾は終了する。
b)下記以外の地形がHEXに含まれていれば、そのHEXで跳弾は終了する。
跳弾を阻害しない地形:平地、道路、下り坂
D)その他
a)1HEX内に複数の大隊が同居しても、先頭以外の大隊について跳弾の扱いはしない。
兵士が多数居る場合は、密集による命中補正で対応する。更に跳弾の扱いをすると、
2重に損害を計算する事になるので、適切ではない。
<個人的感想>
跳弾の扱いは、好みが分かれると思う。特に第1目標以外の場合にも普通に命中判定をするので、
砲撃による損害が大きくなり易い。しかし、歩兵大隊を大砲の射線方向に連続して配置すれば、
砲弾による損害が増すのは当たり前のように思う。その意味では、無茶な歩兵配置をさせない
ようにする為の制約と考えれば良いと思う。
時間があれば、砲兵中隊長(大尉)の立場を模擬するゲームを考えてみようと思う。ゲームの
規模は、大雑把に次のようなイメージである(連隊長か旅団長の立場を模擬するレベルかも)。
・砲兵は分隊(2門)が1ユニットで、砲兵1ヶ中隊が3〜4ユニット。
荷馬車中隊、砲弾種類・数、弾道に応じた射程などは、検討が必要。
・歩兵は2ヶ中隊が1ユニット(1ヶ大隊が3ユニット)、騎兵は1ヶ大隊(1ヶ連隊が4ユニット)。
・時間は1ターン10分、距離は1HEX50m。
・戦いの規模は歩兵1〜2ヶ連隊(砲兵1ヶ中隊、騎兵1〜2ヶ大隊が同行)同士の戦い。
<リンク>