ME版では跳弾の扱いはないが、COA第3版や30年度版には跳弾の扱いがある。
自分は基本的にME版ルールを使ってプレイしているが、好みにより自家製
ルールを付けたり、COA版のルール(ME版にないもの)を使う事がある。
COA版を参考に跳弾の扱いについて、自家製ルールとして整理した。
1)基本的な考え方
A)跳弾になる砲弾の種類
跳弾は鉄球の砲弾に限ったものである。散弾や榴弾は目標の範囲内に
破片・玉の威力が限定される。
B)跳弾になる距離
a)第1目標の距離
短距離(400m)までの第1目標については、散弾距離である(砲弾の種類と射程距離を参照)が、
弾薬車1台当たりに積む砲弾の数は次の通りである(フランス軍8ポンド砲の例)。
散弾は数が限られるので(散弾:鉄球の比率は平均で1:2)、短距離でも鉄球を使用する事がある。
その為、第1目標が100m(*1)以外の200mから大砲の有効距離-100m(*2)までは跳弾を扱う事にする。
鉄球 | 散弾(小玉) | 散弾(大玉) | 合計 |
62 | 20 | 10 | 92 |
(*1)バタイユゲームでは隣接HEX(100m)を砲撃する場合に、射撃結果表を右に1列シフトして使う
こと(射撃力が増す方向)で散弾による射撃を模擬している。
(*2)自家製ルールでは、有効距離を超えた最大距離までの範囲は、次の理由で模擬しない事にしている。
命中率が極端に悪くなるので、サイコロによる命中判定が時間を使う割には効果が小さい為。
その為、第1目標が有効距離の場合には、跳弾の扱いはしない。
b)跳弾の距離
Artillery Equipments of the Napoleonic Wars p28によると、フランス軍8ポンド砲が
水平射撃をした場合に、以下の距離まで飛んで兵士を死傷させることが出来る。
そこで大砲の有効距離までは跳弾でも有効であると見なす事にする。
なお、砲弾が飛ぶ高さは人間の身長の範囲である為に、射線上の兵士は被害を受ける。
第1回着弾距離 | 第2回着弾距離 | 第3回着弾距離 |
365m | 548m | 640m |
C)弾道計算
上記の弾道計算ができないか、調査・試行してみた結果、下記のホームページのプログラムが
とても役に立ちました。ありがとうございます。
・計算条件
8ポンド砲弾 :重さ3.6kg、 半径0.0515m
砲身の高さ : 1.11m
砲撃時の初速度 :Manuel d’Artillerie p212の8ポンド砲(1364pied/sec=443m/sec)
砲撃時の仰角 : 0°
砲弾の回転 : -53.7回転/s(上記のデータに近くなるように調整したもの)
環境条件 :温度20℃、 湿度40%、 風速なし
地面の反発係数 :進行方向0.8、垂直方向0.65(上記のデータに近くなるように調整したもの)
第1回着弾距離 | 第2回着弾距離 | 第3回着弾距離 | |
上記 b) | 365m | 548m | 640m |
弾道計算 | 367m | 563m | 641m |
<個人的感想>
弾道計算について精度の良い試算ができた。初めは空気抵抗のみで計算するプログラムを
色々使ってみたが、どれも第1回目の着弾距離が286m前後になり、本に記載された実測
データに合わなかった。そこで、上記のホームページにお世話になり、砲弾の回転による揚力を
考慮した計算を使ったところ、かなり近い値を得る事ができた。とても感謝しています。
<リンク>