先日DRAGOONさんから紹介されたMMP社(The Gamers)の
CWB(Civil War Brigade)シリーズの命令システムを読んでみた。
その中で、伝令ルールに参考になるものを検討したので、以下に記載する。
1)CWB 命令の伝達速度(軍司令部から軍団司令部宛て)
CWBでは副官または伝令が1ターン10HEXの速度で命令を運ぶルールである。
なお、出発地点から到着までの地形に関係ない平均値である。ユニットが移動
するのではなく、命令が届くまでのターン数を計算(距離÷10切り上げ)して、
その分だけ命令が届くのに時間がかかる。
CWBのスケールは1HEX200ヤード(約183m)、1ターン30分であるので、
バタイユ諸元検討に使ったように1ターン30分稼働率50%の15分を基準時間に
すると10HEX × 183(m/HEX) × (60分÷15分)=7320m/Hrの速度になる。
これは、伝令ルールの検討時に採用したトロットの14.4km/hに比べて約半分の
遅さである。普通に馬が歩く速度(常歩)6.4km/hに近い値である。
地形に関係ない平均値としても、低いように思う。基準時間による推定が正しくないのかもしれない。
他のユニットとの比較では、CWBの騎兵の移動力が12である事を考えると、そんなものかとも思う。
なお、Civil Warはナポレオン戦争から約50年が過ぎており、小銃の射程もマスケット銃の
通常使用距離234mからスプリングフィールド銃の通常使用距離460mと伸びている。
そんな中で伝令として移動するには危険度が増すので、警戒しながら進む事による移動速度の
低下はありそうである。
2)バタイユへの反映検討
A)基本的な考え方
CWBではプレイヤーは軍司令官の立場であるのに対して、バタイユではプレイヤーは
軍団司令官の立場である(マーシャルエンタープライズのNeylan氏が書いた砲兵の
補給についての見解を示した文で、そのように記載があった)。その為、単にスケールの
違いを補正しただけでは、そのまま適用できない。バタイユゲームとして既存のルールや
考え方に違和感がないか検討する必要がある。次回以降の検討でも同じ。
例えば、CWBでは軍と軍団の司令部は3〜4km離れており、直接は目視できない距離である。
その為に生じる命令伝達の遅れ・混乱などを模擬するのが目的と思う。
それに対して今回の伝令ルールで使うラシンの戦いでは、軍団司令官と独立部隊指揮官(旅団長)
とは1.5〜2kmの距離である。遮蔽物がなければ、大雑把には目視できる距離である。
(アウステルリッツなど軍レベルのゲームでも味方は大雑把には目視できる距離距離内にいる。)
その為、命令の混乱や大幅な遅延は模擬する必要はないと思う。
B)バタイユでの伝令速度
伝令ルールの検討時に採用したトロット(14.4km/h)で良いと思う。しかし、この
方法はプレイテストで、”平地では数える必要もなく1ターンで到着し、マーカーを
移動させる手間が無駄に思える事”が分かっている。
その為、派遣後1ターンで自動的に到着扱いにする事で良いと判断する。
<個人的感想>
CWBでは軍レベルの戦いを2人(両軍で1人ずつ)でプレイできる。しかし、バタイユゲームでは、
軍レベル規模のビッグゲームでは数人(1人で1〜2軍団を指揮するのが良さそう)が適切との
製作者の言葉がある。その面では、命令システムは単純明快な方が良いと感じる。
なお、自分の場合はソロプレイになるので、余計に単純なものが良い。(そもそも、ソロプレイで
ビッグゲームをする点で無謀ではあるが・・・。)
<リンク>
CWB・バタイユともに好きなシリーズゲームですが、両者の違いがあらためて良く分かりました。大変勉強になりました。
コメントありがとうございます。
ご紹介頂きましたCWBが大変参考になり、
色々な考えが有るものだと感心しました。
次回に反映内容を記載していますので、
読んで頂ければ幸いです。