ドラマとウォーゲームの類似点

 気に入ったドラマを見ていて、不意にウォーゲームとの類似点を考えた。

人にもよると思うが、次の条件だけでは気に入ったドラマにならない。

 1)お気に入りの俳優(男女に関係なく)が出ている。

 2)好きなジャンル(歴史劇、喜劇、アクション劇など)である。

 3)著名な脚本家か演出家の作品である。

同じようにウォーゲームでも次の条件だけで気に入ったゲームにならない。

 1)ユニットが美しく、当時のユニフォームのデフォルメである。

 2)好きな時代(ナポレオン時代など)か有名な戦い(ワーテルローなど)である。

 3)有名なゲームデザイナーである。

 

上記の条件に当てはまるドラマで、失望したドラマは最近でもあったし、

ウォーゲームでは、ひと昔に2)3)に当てはまるゲームを買ったが、がっかり

したものがあった。

 

 そこで、何が気に入るドラマの条件かを考えた結果、次の条件が満足された場合である。

 4)脚本(物語の流れ)が面白い。

   例えば、一旦悲劇的な雰囲気を出してから一転して喜劇に変わり、その落差が面白い。

 5)演出(物語の見せ方)が上手い。

   例えば、単純に俳優を撮っているだけでなく、工夫した映像を使ったり、俳優の演技が

  少々過剰気味だが何を表現したいのかが分かり易い。

 

同様にウォーゲームでは、次のものが該当すると思う(かなり主観的だが)。

 4)ゲームのシナリオはバランスが良く、分かり易い。

   例えば、片方に有利過ぎるのではなく、勝利条件も現実的である。

 5)ルールは狙いが明確で、その目的に沿って十分整備されている。

   例えば、バタイユゲームの場合、狙いは次のようなものである。

  A)ナポレオン時代の戦闘の再現、特に変動する戦線に沿った一連の小戦闘を再現する。(*1)

   個人的にはモラル(士気)を重点に置いたルールは、思うような流れにならない流動的な戦闘を

   上手く表現していると思う。また、複雑だが明確な色々なルールも当時の戦闘に沿ったものである。

  B)ルールはプレイヤーがドラマの中で役を演じる際の脚本であり、舞台は19世紀のヨーロッパである。(*2)

   個人的にはプレイヤーは戦場の真ん中にいる軍団司令官であり、複数の味方と敵の中で思惑が

   錯綜し相互に影響しながら戦いが進んでいく状況を味わう事こそが、ゲームの最大の目的であると思う。

   この意味では、自分のようなソロプレイが主になるのは、デザイナーの主目的から外れる。

   しかし、それでも十分にナポレオン時代の戦闘・雰囲気を味わう事ができるし、面白い。

 (注記)

  (*1)バタイユゲームの第2版ルールのイントロダクションに記載がある。なお、COA社の第3版では

    削除されている。

  (*2)Marshal Enterprisesのプレミアルールのイントロダクションに記載がある。

    なお、個人的には脚本ではなく演出と思うが・・・。