庭園の会談の続き。
【ライン軍とイタリア方面軍について】
ベルナドット:イタリアでの勝利は過大評価である。
ナポレオン:ドイツでの勝利は、オーストリアがミスしたお陰である。
【ナポレオンが、ベルナドットが答えられない事を承知の上で話題にしたもの】
1)総司令官に必要な特質、およびアレクサンダー、カエサル、ハンニバル、
と全ての時代の偉大な司令官の比較。
2)ギリシャのファランクス(密集隊形)、ローマ軍団の編成。
サラザン大佐によれば、ベルナドットは動揺し、かなり汗だくになったとの事。
その後、夕食の用意ができたとの知らせが来た。
夕食にはゲストとしてオーストリア全権大使のメルヴェルト少将(*1)が出席した。
夕食での話題には、再び軍事学が上った。しかし、メルヴェルト少将は、
レオーベンの和約の時からベルナドットと友好的な関係になっていたので、
ベルナドットが仲間外れになった状況を見て、話題を歩兵の機動に変えた。
これは、ベルナドットの得意分野なので、助け舟を出した事になる。
(*1)この時は33歳で、16年後のライプチッヒの戦いでは、大将で第2軍団を指揮した。
パッシリアーノの夕食の後、ベルナドットはサラザン大佐に劣等感を述べた。
ナポレオンは、とてつもなく頭が良い。歳の割に何でも良く知っている。
もし、自分がもっと若かったら勉強するものを。
サラザンは、今からでも遅くないし、実戦の経験が学習の手助けになると慰めた。
この時から、ベルナドットは軍事・政治・科学について相当勉強したらしい。
<個人的感想>
見解の相違とナポレオンの負けず嫌いからか、相手が答えられない話題で
再三追い込むのは、性格の悪さを示している。それにしても、オーストリア全権大使は
人が良さそうである・・・。
今回までの会談で、ナポレオンはベルナドットを子分にはできない事、敵ではないが、
味方でもない(自分の縄張りを一部任せる事はできない)と感じたのでは。
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