ベルナドットのパリ派遣(2)

ベルナドットの報告書の続き。

”数人の代議士から五百人会には王位の復権を図る派閥があると聞きました。

一方では、それに積極的に反対する派閥もあるようです。彼らの思いが実現したなら、

恐ろしい動乱が起こるでしょう。また、その動きは管理できないものになりそうです。

この2つの急進派の間に、王党派を恐れると同じくらいに無政府状態を恐れる人々がいます。

彼らは余り発言せずに、背後でじっとしています。しかし、彼らは、急進派同士が争っている中で、

どちらも排除できる機会が来るのを待っています。また、彼らは物事を円滑に進めさせ、

時間を稼ぎ、政府が力と資源を強化できるように試みています。

五百人会は、総裁達が優勢になるのではと恐れています。

しかし、優位に立つ為には、総裁達は機会を作るか掴むかする必要があります。

また、王位復権を図る大胆な者達を態度で脅す必要もあります。

王党派の期待は、ピシュグリュに集中しています。かれらは、ピシュグリュにおべっかを使い、

甘言でつり、甘やかせ、そして愚かにしています。しかし、事実として、彼らはピシュグリュが

ごく普通の人間であることを分かった上でそうしていると確信します。

ピシュグリュは共和主義を捨てた事で基盤がありません。彼は原則よりも人を優先します。

努力が彼を再生させるかもしれませんが、結局は無駄に終わるでしょう。彼自身について

説明を求められた時には、高慢で膨れ上がった男の口調で愚かで不合理な回答をしました。

彼は自分の名前が軍において重んじられていると思い込んでいました。愚かで、弱い男です!

氷は砕け散りました。彼の本性は知られています。彼の古い友人達は、彼を見捨てました。

彼は、毎日名声を失っています。私は彼をクレベールの所で北方軍の将軍達と一緒に居るのを見ました。

彼とはほとんど話しませんでした。私が彼について述べたような見解がある事に、彼は気付いています。

私達は、お互いに最大限の遠慮をしました。”

続きは次回に。

 

<個人的感想>

 ベルナドットの報告は、結構長いが、状況は良く分かる内容になっている。

また、ピシュグリュ(ベルナドットより2歳上の当時36歳)に対する評価は手厳しい。

 

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