マスケット銃は、その着火構造から湿気に弱いとの事。ドレスデンの戦いでは、
前夜の激しい雨でマスケット銃の着火部分が湿っていたり、弾薬(紙でくるまれた)
が湿っていて歩兵は全く射撃できなかった。その為、オーストリア軍はミュラの
騎兵突撃に対抗できずに負けたとの事で、着火構造を少し調べて見た。
<マスケット銃の簡単な着火構造>
1)引き金を引く前
2)引き金を引いた後に火打石(Flint)が火花を発生
3)弾薬から火皿(Pan)に入れておいた少量の黒色火薬に着火し、
これが発火して銃身内に入れた黒色火薬に引火・爆発して弾を射出する。
”歩兵の射撃速度と精度”でも引用したサンプル動画も参照。
火皿部分を上から見たもの
<雨などが降っていた時の銃の持ち方>
Secure armsという号令で、下記のように腋の下で着火部分を保護するように
持つ事で対応した。また。皮製のロックカバーで、着火部分を覆う例もあったとの
事だが、一般的ではない。
<個人的感想>
COA版のバタイユゲームであるドレスデンでも、シナリオ4は歩兵が全く射撃
できない特殊ルールを入れている。通常は、どの国の歩兵部隊でも湿気対策は
行っていたが、それでも射撃できない状態になるほどの大雨だったと思われる。
また、ドレスデンほどの大雨でなくても、湿気の多い環境での戦いでは、
ミスファイア(着火失敗)が結構起こっていたようである。
ME版(COAで再版)のバタイユゲームであるアルブエラでは、天候を賽の目で
決めて、雨なら歩兵射撃力を半分に、霞ならー2の補正する特殊ルールを入れて
いるのは納得する。
<リンク>