ベルナドットがマーストリヒトの要塞司令官に決まった後に、クレベールが
ベルナドットへ出した指示を意訳してみた(11月8日)。
友よ、君はマーストリヒト要塞の司令官になる。全ての地域が君の庇護を
求めるだろう。そして、君が全ての人々の信頼を得ることは、何よりも大切である。
これは、とてもデリケートな問題である。というのも、我々は極悪人であるとの
間違った噂が無くなっていない。よかろう、我々は行動で人々の目を開かせよう。
我々は力で敵を敗北させたが、今度は良い行いで敵を打ち負かす必要がある。
いわば、尊敬を勝ち取るのだ。
君に規律について話そうとは思わない。君は秩序が好きな事は分かっている。
守備隊の兵士について、どのような苦情もない事も確信している。
聖職者が満足する為には、何も惜しんではならない。女子修道院や全ての
宗教的な建物は保護する必要がある。そして、他の国の人々の慣習や先入観に
敬意を払うように兵士達に繰り返し徹底させなさい。
我々が人々の善意を守る事ができれば、これが可能になる。外国で戦争する際には、
無関心であってはならない。
<個人的感想>
クレベールの文章は、とても分かり難い言い回しである。意訳するにしても、
結構悩んだ箇所が多い。大体の意味は間違っていない筈。
指示の内容は、意外であるが、”徳による治政”を勧めている。
そのような任務ができる人間としてベルナドットを推薦したと思われる。
クレベールが兵士達から尊敬された理由の1つが、このような”人間の良い面”を
大事にする点にあると思われる。
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