マーストリヒト要塞攻囲戦のベルナドット(2)

 ベルナドットは、塹壕作業の指揮官にアルディ准将を任命した。

アルディは、後に日記を出版した。

1)ベルナドットが兵士に出した命令(意訳)

 ”厳正な規律、公正、精密が無ければ何もできない。

厳正な規律をきちんと監督する事は要塞攻囲の基本である。

不平のつぶやきは、共和制に対する犯罪になる。

 諸君に次の事を期待する。そして、攻囲作業を加速させる

実例を示そう。

 ・塹壕では静かに。

 ・諸君と辛苦・疲れを分かち合う指揮官を信頼せよ。”

 

2)ベルナドットからアルディ准将への10月23日の指示(意訳)

 今晩から君は塹壕作業の指揮官になる。

 ・6ヶ大隊で塹壕を掘れ。

 ・別に3ヶ大隊と憲兵隊を両翼と中央に配置せよ。

 ・精鋭の6ヶ中隊(擲弾兵と精鋭軽歩兵)を作業員よりも前方に配置し、

腹ばいの姿勢を取らせるように。また、飾りひも(*1)のような、その場に

落としておくと作業員の邪魔になるようなものは、予め外させること。

 ・君の断固たる態度と熱意が成功に導く。

 ・3人の工兵士官が塹壕を指示する。別の3人の工兵士官は

君の指揮下で作業員を監督させよ。

 ・エノー猟兵大隊は、擲弾兵と精鋭軽歩兵の増援に使う事。

 

私はボエッセ将軍に300人の騎兵を応援に回せないか頼むつもりだ。

彼らを両翼と中央に配置して、要塞から出てきた敵兵を包囲して殲滅できる。

 

(注)(*1)飾りひもとは、下図中央にいる擲弾兵の帽子についているものと推測。

下図は左から右に、通常歩兵、擲弾兵、機動歩兵(Voltigeur)。

FiGrVo

<個人的感想>

 ベルナドットの指示は、結構細かい。飾りひもの事などは、普通は言わないが・・・。

哨戒部隊(精鋭6ヶ中隊)に、腹ばいの姿勢を取らせたのは射撃に対する防御と

思われ、何だかバタイユゲームのイギリス軍の伏せ隊形がイメージとして浮かぶ。

 

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