以前に”革命戦争は昇進が早いか”で、ナポレオンは半年で
ベルナドットは11ヶ月で大尉から准将に昇進した事を書いた。
ナポレオンが権力を握った後では、昇進が遅くなったようだ。
Napoleon’s Infantry Handbookという本を斜め読みしたが、
昇進には次の3つの方法があった(将軍への昇進は除く)。
1)年功
2)部隊内の選挙
3)政府からの指名
ナポレオンは、2)が嫌いだったとの事(*)。権力を握ってからは、
各階級に最小4年間留まる制約を設けた。特に大尉(中隊長)から
少佐(大隊長)への昇進には、8年間大尉を務める条件が入る。
これでは、大尉から准将になるには、
大尉から少佐 8年
少佐から中佐 4年
中佐から大佐 4年
大佐から准将 4年
の合計20年もかかる計算になる。
”兵士の背嚢には元帥のバトンが入っている”とのナポレオンの言葉は、嘘っぽい・・・。
兵士が将校(少尉)になるには6年必要で、
少尉から中尉 4年
中尉から大尉 4年
の合計14年を加算すると、兵士から准将に34年もかかる。
准将から元帥には更に8年が必要で、総計42年も必要である。
これは、ありえない。
(*)ベルナドットが大尉から中佐になったのは、連隊の選挙による。
その直後の軍制改革で複数の大隊から連隊が構成された際に、
連隊長(大佐)に任命された。
ナポレオンは、身近にいた(義理の妹の旦那になる)ベルナドットを
嫌っていた事も反映されているかも。
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