以前にも書いたが、ナポレオン戦線従軍記(中公文庫、フランソワ・ヴィゴ=ルシヨン)
によれば、軍人たちを名誉と金で買ったとある。そこで、少し調べてみた。
<元帥の復活>
1804年5月18日元老院決議で復活し、これはナポレオンの皇帝即位と同じ。
この時に18人が元帥に任命されたが、爵位はまだない。
何か、事前に根回しがあると邪推されても仕方ないような・・・。
<元帥の年収>
少将(General de Diviision)の年収が15000フランに対して、元帥の年収は
40000フランと2.67倍になる。ちなみに、当時の労働者の年収は730フラン。
相対的には分かるが、今一つピンとこないので、当時のパンや牛肉の値段と
今の日本の値段から円に換算してみた。
当時の値段 | 今の日本 | 換算レート | |
パン4ポンド(約1.8kg) | 0.7フラン | 1764円 | 2520円/フラン |
牛肉1kg | 1.15フラン | 2623円 | 2281円/フラン |
両者の間を取って、2400円/フランとし、日本の類似職年収と比べると以下になる。
フランス | 当時の年収 | 日本 | 平均年収 |
元帥 | 9600万円 | ||
少将 | 3600万円 | 陸将 | 1127万円 |
大尉 | 624万円 | 一尉 | 430万円 |
技術者 | 438万円 | プログラマー | 500万円 |
労働者 | 175万円 | 日雇い | 219万円 |
パン屋 | 125万円 | パン屋アルバイト | 184万円 |
民間人の年収で、フランスと日本の比較で約1/4の偏差がある。これは、
食料値段vs年収で当時のフランスよりも今の日本の方が暮らしやすい事を
示しているのかも(大雑把な比較であるが)。
なお、当時は戦争中である事を考えても、フランス軍人の年収は高額である。
それはさておいても、少将から元帥の昇進に伴う年収増加は魅力的である。
これでは、金で買われたと思われても仕方がないのでは・・・。
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