ナポレオン戦争時代の砲兵が射撃する速度と精度(命中率)に
ついて気になったので、少し調べてみた。
<発射速度>
参考にした資料では同じである。単位は毎分当たりの射撃回数(実戦)。
参考資料 | 12ポンドカノン砲 | 左記以外 |
1)Artillery Equipments of the Napoleonic Wars | 1 | 2〜3 |
2)Wepons & Equipment of the Napoleonic Wars | 1 | 2〜3 |
<命中率>
上記1)2)の資料によって数値にバラつきがある(試験場での試射結果)。距離が端数なのは、
元の資料がヤード単位の為。
12ポンドカノン砲の命中率 | 6ポンドカノン砲の命中率 | ||||
距離(m) | 1)(%) | 2)(%) | 距離(m) | 1)(%) | 2)(%) |
869から1189 | 17 | 15 | 869から1097 | 17 | 17 |
549から869 | 40 | 26 | 475から869 | 40 | 31 |
0から549 | 87 | 100 | 0から475 | 82 | 100 |
<対騎兵と対歩兵の予想損害>
1)の資料に6ポンドカノン砲の発射速度と命中率から予想した損害が載っていた。単位は人(騎)。
距離(m) | 使用砲弾 | 騎兵損害 | 歩兵損害 |
1097から1463 | 鉄球または榴弾 | 6 | 8 |
732から1097 | 鉄球または榴弾 | 6 | 10 |
366から732 | 鉄球 | 10 | 26 |
0から366 | 散弾 | 32 | 120 |
<個人的感想>
命中率は距離により左右され、大砲の口径には余り左右されないように見える。
騎兵の損害が歩兵に比べて少ないのは、移動速度が違う為と思われる。大砲に
向かって攻撃する場合には、まず騎兵による攻撃が優先になりそう。
フルーリュスの戦いで、ベルナドット大佐が7門の大砲に突撃させた場合に、
初めの2回は騎兵だったのは納得。3回目は騎兵が使えずに歩兵であったが、
損害を出しながらも突破できた。
<リンク>