バタイユゲームの砲兵戦力比較(1)で調べたように、同じ6ポンド砲で
射撃力が余りにも違うのは、おかしいと思う。ただ、下記の資料では、
国により有効射程距離が違うと記載されているので、この点は資料に
沿った値(p28)にする必要がある。
・Artillery Equipments of the Napoleonic Wars
<基本的な考え方>
バタイユゲームのデザイナーでないので、どのようなデータを基に射撃力などを
決めたのかは分からない。そこで、勝手に推測する事にした。
ある程度の基準を決めれば、今後も他の諸元を変更する際に役に立つので。
推測が当たっているかどうかは検証できない為、次の2点を評価して、問題が
なければ良しとする。
1)ME版の値と大きくずれない事(フランス軍を基準にする)
2)変更した射撃力でプレイテストを行い、損害が史実と大きくずれない事
<基準時間>
ゲームの1ターン(実時間20分を模擬)が基準である。しかし、20分間全てで
有効に行動できる訳ではない。長時間の戦闘を考えれば、平均の稼働率を設ける
のが、妥当と考える。
まず、稼働率を50%として、適当かどうかを調べる事にする。
基準時間は20分×0.5(50%)=10分になる。
射撃力と別の諸元で評価する事にし、移動力を調べて見る。
1)移動力の試算
A)フランス軍徒歩砲兵の移動力は6HEXである。1HEXが100mであるので、
10分で600m移動できるので、時速は3.6km/時になる。
B)フランス軍騎馬砲兵の移動力は12HEXであるので、7.2km/時になる。
2)ナポレオン時代の行軍速度
祖国は危機にあり関連blogさんを参考にすると
A)徒歩では3から4km/時
B)騎馬では6(ウォーク)から14.4(トロット)km/時
との事。
3)徒歩と騎馬の違いは、大砲の操作員が徒歩か馬に乗るかの違いで、
大砲を運ぶ輸送中隊(大砲と弾薬を馬車で牽引する部隊)は同じである。
砲兵用の馬の速度については、下記の資料を参考にすると5から10km/時。
4)上記の2)3)から、大砲操作員の速度と輸送中隊の速度の低い方を
採用すると、
A)徒歩砲兵が3から4km/時。(平均値は3.5km/時)
B)騎馬砲兵が5から10km/時。(平均値は7.5km/時)
となる。これは1)の値と余りずれていない。従って、基準時間10分は妥当と判断する。
<個人的感想>
砲兵用の馬の速度については、WEBで検索しても意外に見当たらない。
上記のArtillery Of Napoleonic Warsは、前から読みたかった本でもあるので、
今回Kindle版を購入した(紙の本の50%引き)。本当は、Kindle Unlimitedに
期待したが、対象外で期待外れだった・・・。
<リンク>