SF小説”誓願”を読む

マーガレット・アトウッドの長編”誓願”を読んでみた。
なかなか考えさせられる内容であるが、面白い。
ジョージ・オーウェルの”一九八四年”と同じような
ディストピア(反理想郷)の小説である。

<個人的な感想>
いくつか気に入った言い回しがある。
p9 石像を建ててもらえるのは故人だけだが、わたしは一度、生きているうちに
   それを経験した。わたしはすでに石化しているということだ。

p256 友人は近くにおけ。しかし敵はもっと近くにおけ。(*)
     友人がいないなら、敵を使うしかない。
 (*)は映画ゴッド・ファーザーPart 2からの引用との事。

p437 わたしは跳び上がったりしなかった
     プラスティックで保存加工をした死体もかくやという
     硬化性ポリマーの神経をもつゆえ