SF小説”紙の動物園”を読む

評判の良い”紙の動物園”である。
この本も、一気には読めない作品集である。

表題作の”紙の動物園”も”結縄”も良かったが、
特に良かったと思うのは、文字占い師である。
特に感心した文章を以下にメモしておく。352ページ目。
だから群衆の正体は、自分たちが尊い運動に携わっていると
信じこんでいるがゆえに狼の群れになった羊の一団なのだ。

<個人的な感想>
自分たちが正義と信じている米国人が、
残虐になれる皮肉な展開も感心した。
SF小説というと、着想で読者を唸らせるものと思っていたが、
ケン・リュウ、テッド・チャン、グレッグ・イーガンなどを読むと、
間違いだった事が分かる。