工兵(pontonniers)の部隊単位と規模について、気になったので少し調べてみた。
部隊単位 | 指揮官 | 規模 |
pontonniers大隊 | 少佐 | 8〜9ヶ中隊+スタッフ6人 |
pontonniers中隊 | 大尉 | 4ヶ分隊+曹長、兵站伍長、ドラマー1人 |
pontonniers分隊 | 大尉、中尉、軍曹 | 伍長、職人2人、兵士14人 |
大隊は本部での管理が主で、実戦では中隊単位で軍、軍団、または師団に配属される。
大隊の数は年代によりバラツキがあり、1795年には1ヶ大隊だったが1799年に2ヶ大隊に
拡大された。分隊指揮官は大尉1人、中尉1人、軍曹2人で4ヶ分隊を指揮する。
大きな川の渡河では、複数の中隊が集められて軍か軍団の工兵参謀部が指揮する。
1809年のドナウ戦役では9ヶ中隊が集められてドナウ河に舟橋を掛けた。
初めは、アスペルン・エスリングの戦い前に、2本の舟橋ルートを作ったが、その後に
オーストリア軍の攻撃で破壊された。(その為、第1陣のランヌの第2軍団とマッセナの
第4軍団が北岸で孤立した)
その後、修理してワグラムの戦いの前には次の5本の舟橋ルートを作った。
ルート | 作成部隊 | 距離 | 舟橋の数 |
第1 | 第1大隊第5中隊 | 140m | 22ヶ |
第2 | 第1大隊第9中隊 | 105m | 15ヶ |
第3 | 第2大隊第4中隊 | 不明 | 不明 |
第4 | 第1大隊第1中隊 | 不明 | 不明 |
第5 | 第1大隊第8中隊 | 166m | 14ヶ |
<個人的感想>
フランス軍のpontonniersの有名な渡河作業は、上記のドナウ渡河である。
しかし、軍の主流の兵科でない為か、資料が少ない。著名な軍人などもいない
ので、回想録などもなく、実態が分かり難い・・・。
<リンク>