革命戦争とナポレオン戦争において、砲兵は独自の参謀体制を持っていた。
歩兵3ヶ師団、騎兵1ヶ師団の軍団では次の通り。通常は歩兵師団に徒歩砲兵1ヶ中隊、
騎兵師団に騎馬砲兵1ヶ中隊、軍団に徒歩と騎馬砲兵が各1ヶ中隊配備される。
管理対象 | 管理規模 | |
1)軍団司令官を補佐する参謀部 | 第1線の砲兵部隊、2)の参謀部 | 大砲44門 |
2)荷馬車群を管理する参謀部 | 師団の予備部隊を纏めて管理 | 荷馬車192台 |
1)軍団司令官を補佐する参謀部の構成
職位 | 階級と人数 |
司令官(commandant) | 准将1人 |
参謀長(chef d’etat-major) | 大佐1人 |
副官(Aide-de-camp) | 大尉1人、中尉1人 |
補佐(adjoint) | 大尉2級 2人 |
2)荷馬車群を管理する参謀部
軍団・師団の予備部隊を1ヶ所(Parc:駐車場)に集めて管理する。
各師団の砲兵中隊は、ここに予備の弾薬を取りに来る。
職位 | 階級と人数 |
監督 (directeur) | 大佐か中佐1人 |
助監督 (sousu-directeur) | 少佐1人 |
補佐 (adjoint) | 大尉2級 2人 |
検査官(inspecteur du train) | 大尉2級 1人 |
外科医助手 | 1人 |
守衛主任 | 1人 |
誘導主任 | 1人 |
誘導員 | 3人 |
火薬主任 | 1人 |
獣医 | 1人 |
古参職人 | 1人 |
<個人的感想>
予備部隊を一括管理するのは合理的と思う。200台近い荷馬車の交通整理と
管理に14人は多くはない。砲兵中隊の予備部隊には大尉2級が1人、荷馬車
中隊の予備部隊には中尉が1人いるので、個々の管理は彼らに任せて、軍団全体の
管理が任務である。
砲兵司令官は管理だけではなく、フリートランドのセナルモン准将のように、
第1線で砲撃を指揮する場合もある。
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