革命・ナポレオン戦争の砲弾の種類と撃てる大砲は、次の通り。
砲弾の種類 | カノン砲 | 榴弾砲 |
鉄球(cannonball) | ○ | X |
散弾(canister) | ○ | ○ |
榴弾(common shell) | X | ○ |
下記のサンプル画像は、左から散弾、榴弾、鉄球。
(Artillery Equipments of the Napoleonic Wars p16から引用。)
1)大砲の弾(鉄球)の重量、大きさと射程距離を纏めてみた。単位はm。使う弾の目安は、次の通り。
0から200m=散弾(小玉)、200mから散弾距離=散弾(大玉)、散弾距離から有効距離=鉄球または榴弾。
大砲の種類 | 重量kg | 直径cm | 最大距離 | 有効距離 | 散弾距離 |
12ポンドカノン砲 | 5.4 | 11.8 | 1646 | 823 | 549 |
8ポンドカノン砲 | 3.6 | 10.3 | 1372 | 732 | 457 |
6ポンドカノン砲 | 2.7 | 9.2 | 1372 | 732 | 366 |
4ポンドカノン砲 | 1.8 | 8.0 | 1097 | 640 | 366 |
新旧の榴弾砲 | ー | ー | 1097 | 640 | 457 |
<訂正>2017/1/9 16:30
砲弾の直径が大砲の口径になっていましたので、訂正します。
2)榴弾は空中で爆発して破片(または小鉄球)を地面に降らせて殺傷するもの。
下図中央のように爆発タイミングと弾道が適切でないと効果がでない。
(Weapons & Equipment of the Napoleonic Wars p65から引用)
3)散弾は近距離の敵に使うもので、広がる範囲は距離に比例する。
射程距離(m) | 広がる幅(m) |
91 | 10 |
183 | 20 |
274 | 29 |
散弾には小玉(Light)と大玉(Heavy)2種類の合計3種類があり、使い分けたらしい。
小玉(2オンス)、大玉(4オンス)、大玉(6オンス)の重量は、57g、113gと170gで、
マスケット銃の弾が28gなので、各々2倍、4倍、6倍の重量になる。
1散弾に含まれる玉の数は、以下の通り。
大砲の種類 | 小玉 | 大玉 | 大玉の種類 |
12ポンドカノン砲 | 112 | 46 | 6オンス |
8ポンドカノン砲 | 112 | 41 | 4オンス |
6ポンドカノン砲 | 96 | 41 | 4オンス |
4ポンドカノン砲 | 63 | 28 | 4オンス |
新旧の榴弾砲 | - | 60 | 4オンス |
<個人的感想>
散弾で大玉(重量が大きい)の方が遠くまで殺傷力を保ったまま飛ぶので、中距離は
大玉で近距離は小玉を使ったらしい。小玉にしても100発のマスケット銃相当の威力
なので、大砲に向かって歩兵が進むのは、狂気か勇気か微妙である。
フルーリュスの戦いで大砲に向かって進撃した第71半旅団は凄い・・・。
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